ファミコンで株を学んだ男が資産15億円を達成するまでの道のり

名だたる億超え投資家たちも一目おく凄腕投資家として知られる、横這勝利氏。爆上げ銘柄やTOB銘柄を次々的中させ、資産は激増。昨年15億円を突破した。どうやってここまで上り詰め、今、どんな銘柄に注目しているか。取材班がむりやり聞き出した。
◆資産15億円突破! 横這氏の栄光の軌跡を振り返る
『エンスパ’17年夏号』で紹介した銘柄から2.4倍高も登場。次々と爆上げ銘柄を的中させる“自由億”トレーダーの横這氏のこれまでの半生をたどった。
 自由億――アベノミクス以降、「資産1億円」を突破した個人投資家のことを“億り人”と呼ぶようになったが、いつしか「資産10億円」を達成した個人投資家を“自由億”と称えるようになった。本当の自由を手にした者だけが称えられる、文字どおりケタ違いの存在だ。
 名だたる億超え投資家たちからもっともアツい視線を送られているのが、「横這勝利」氏(仮名)だ。横這氏は徹底した企業分析を通じて会社の経営方針を読み、企業へ直接アプローチすることもある専業個人投資家で、現在の運用資産は15億円に達する。
 以前、記者も横這氏が参加するオフ会や忘年会に同席させてもらったことがあるが、錚々たる個人投資家が横這氏の銘柄選別や企業分析に耳を傾け、必死にメモを取っている様子が印象的だった。横這氏は億トレーダーたちからも一目置かれるスーパートレーダーなのだ。
 これまで編集部は何度か横這氏に取材をさせてもらい、注目銘柄を掲載してきた。たとえば、6月15日発売『エンスパ’17年夏号』の袋とじでは6銘柄を教えてもらい、発売から2か月の時点で、ジーンズメイトの2.4倍高をはじめ、注目した6銘柄の平均上昇率が41%超という驚異の成績となった。
《『エンスパ’17年夏号』で見事的中させた銘柄の一例》



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●ジーンズメイト(東1・7448)
382円⇒927円
●川崎化成工業(東2・4117)
170円⇒257円
●都築電気(東2・8157)
675円⇒1285円
◆幼少期 ファミコンゲームで株式投資を知る
 横這氏が株式投資に興味を持ち始めたのは小学生の頃。
「『松本亨の株式必勝学』というファミコンゲームをやって、『働くのとは違う方法でお金を増やすことができる』ということを知ったのが、株式投資に初めて興味を持ったきっかけでした。それ以降、『大人になったら株をやるべき』と思っていましたね。中高生の頃は売買はできなかったので、新聞の株価欄を毎日保存して、パラパラ漫画みたいにして見ていました(笑)」
 1990年代後半、大学生になってすぐ10万円でミニ株を始めたという。
「大学では会計学を学んでいましたが、当初はたいした投資手法もなく、値ごろ感だけでやっていて損し続けました。1990年代後半は不況からマーケット環境も悪く、会計基準が緩かったこともあり、保有株のうち4社がいきなり倒産したことも……。今ではBS(貸借対照表)やPL(損益計算書)、決算書などは企業のHPで誰でも入手できますが、当時は手に入らず『四季報』しかなかったんです」
 大学卒業後は地元に帰って、金融機関に就職。「大学時代、銀行員時代に学んだことが役にたっているかもしれない」と振り返る。
「株には『買う』『持つ』『売る』しかありません。勝つためには勉強しないといけない。いつも投資の観点から、現金と有利子負債がどうなっているか、営業キャッシュフローがプラスかどうかを見ています」
◆2000年代 PBRに着目した「割安投資」に開眼
 初期から純資産が多い銘柄に長期投資していたという。簡単にいえば「PBR」に注目した割安投資だ。
「大きく値下がりした会社やチャートの形状が底を這っている銘柄を大量購入して噴き上げを待ったりしていました。大きな転機は’06年に買ったライブドアマーケティングでした。株価330円だったけど、純資産の視点からいうと株価1800円あってもおかしくなかったので、600万円を投資。’06年4月に上場廃止となったのですが、’08年12月に『433円で買い取る』とTOB(株式の公開買い付け)が発表されたんです。これによって120万円ほどの利益を得ることができました」
 この頃には、「TOBされそうな銘柄を狙う」という手法が確立されていったという。
 その後もTOB銘柄を続々と的中。
 ’09年1月、平均8万円で600万円分買っていたアクセスが「株価13万円で株を買い取ります」と発表。400万円ほど儲けたという。
「当時、政府や東証は『親子上場の解消』を推進していたので、『親子上場している子会社を買えば、親会社が株を買い取ってくれるんじゃないか』と思い、TOBされそうな銘柄を探していました。不祥事が発覚したローソンエンターメディアは、ローソンが責任を取るんじゃないかと買ってみたら、実際に高く株式を買い取られたのです」
 純資産のある会社が買収の対象になりやすかったので、純資産や現金が多い銘柄に注目して銘柄を選別し乗り換えて行くと、それらが見事に当たって、面白いように資産が増加したという。
◆2012年 株の運用額2億円突破。専業投資家の道へ
 順風満帆とも思える投資歴だが、大きく負けることもたびたびあったとか。
「リーマン・ショックでは、当時の資産2500万円から1400万円に大きく負けました。そこから再び盛り返し、’11年8月には1億円を達成したのですが、リーマン・ショック時の反省から『実物資産にお金を移し、安定収入を得よう』と考え、アパートを購入しました。これで分散投資と、安定収入を確保することにしたんです」
 その後も不動産を買い、家賃収入が月100万円、株の運用額が2億円に達した’12年に会社を退職。専業投資家として生きていくことを決意した。
◆2013年 プラズマ社が爆騰。3.3億円の利益
 アベノミクスが始まり、この5年で2億円から15億円まで増やしたパフォーマンスは驚異的だ。「ここまで増やすことができたのは、アドテックプラズマテクノロジーの3.3億円の利益が大きかったですね」と振り返る。
「1万株くらい買って、会社の事業内容、将来性などを聞くために、実際に会社を訪問したんです。会社の応対は非常に素晴らしく、将来性を感じ、約4万株ほど買いました。すると、運よく『電池関連銘柄』として注目が集まったんです。7000万円ほど買っていた株が一気に上昇し4億円になり、3.3億円の利益になりました。企業に直接電話したり実際に訪問して企業を調べることは、投資家として大事な行為だと思いますね」
◆現在 今後も圧倒的な「バリュー」を探す
 今では総資産15億円を突破した横這氏だが、それでもムダ遣いはできない性分だと話す。
「決して貧乏な家庭ではなく、むしろ裕福なほうだったと思いますが、小さい頃、母はスーパーの見切り品ばかり買っていました。その母の影響が大きいのか、価格に対して『本当にその価値があるのか?』という考えが幼少期から染みついていたと思います。今も服はしまむらだし、靴下はボロボロになるまではいて、穴が空いたら自分で縫ってまたはいていました。スマホは中古だし、車は1998年式の20年落ちの国産車に乗っています。『物には魂が宿る』と信じていて、お気に入りのものや価値を感じられるものは捨てられない性格で。そのせいか、株を売るのも苦手ですね(笑)。『ケチ』というとかっこ悪いですが、株式投資ではそれが強みにもなる。圧倒的な底値を探るのが、いつになっても好きみたいですね」


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