米国株は上昇、貿易戦争への懸念和らぐ

週明け5日の米国株式市場では主要3指数が揃って上昇して終了。米政府が鉄鋼とアルミニウム製品に高い関税を課す方針は実現しないとの見方もあり、世界的な貿易戦争への懸念は和らいでいる。
また、原油価格の上昇や、週末のイタリア総選挙の結果を受けて大きな混乱が起きていないことも米株の支援材料になったとみられている。
トランプ米大統領は先週1日、鉄鋼輸入品に対し25%、アルミニウム製品に10%の関税を課す方針を翌週に発表すると表明。これを受け、1日のS&P総合500種(.SPX)は一時2%下落した。
しかし、トランプ大統領は5日、カナダとメキシコが北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉で米国に譲歩すれば、検討中の鉄鋼・アルミの輸入関税が免除される可能性にツイッターで言及。市場では、輸入関税を巡る先週の大統領発表は交渉カードの一つとの見方が出始めた。
アリアンツ・グローバル・インベスターズの米国投資ストラテジスト、モナ・マハジャン氏は、トランプ大統領が明らかにした関税方針に対し、外国から具体的な報復措置が示されていないことも安心材料だと指摘。「大統領がNAFTA再交渉会合の終盤にツイートしたことは偶然ではないと思う。(輸入制限は)大きなイベントとはならないだろう」と語った。
4日投開票のイタリア総選挙(上下両院)では、反体制派政党「五つ星運動」が躍進したものの、両院とも過半数を獲得する政党がないハングパーラメントとなる見通し。
アリアンツのマハジャン氏は「選挙後に暴動が起こらず、英国のように欧州連合(EU)離脱を求める機運も高まっていないことが投資家を安心させた」と指摘する。
5日はS&P主要11セクターの全てが上昇。原油高を背景にエネルギー株(.SPNY)は1.1%高。国際エネルギー機関(IEA)の見通しを受け、原油需給の不均衡が是正されるとの期待が広がり、買いが先行した。
個別銘柄ではフェイスブック(FB.O)、アマゾン(AMZN.O)、ネットフリックス(NFLX.O)、JPモルガン(JPM.N)が特に上昇し、指数を押し上げた。
ニューヨーク証券取引所では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.82対1の比率で上回った。ナスダックでも2.20対1で値上がり銘柄数が多かった。
S&P総合500種構成銘柄では、12銘柄が52週高値を更新し、4銘柄が安値を更新。ナスダック総合構成銘柄では113銘柄が新高値を付け、20銘柄が新安値を付けた。


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